CASE STUDY 事例紹介

取引先との共謀による不正な資金流出

内部通報を契機に、「子会社の経営幹部による長年にわたる不正支出の疑い」が浮上しました。社内調査では不審な支出を一部確認できたものの、手口の複雑さや関係者への忖度から調査が進展せず、外部専門家を含む特別調査委員会が設置され、弊社は調査を支援しました。

業務内容

以下の業務を実施した。

  • 特別調査委員会のサポート

  • 調査全体のプロジェクト・マネジメント

  • 不正調査の実施/支援

    商流・取引先調査、会計データの分析、取引価格の精査、証憑類の精査、銀行口座トレース、関係者ヒアリング、アンケート調査など

  • デジタルフォレンジックによる不正関連メール・ファイルの解析

  • 不正調査報告書の作成

  • 損害額の特定および社外への説明支援

  • 業務プロセス・内部統制の見直し(例:取引先属性の確認、支払承認フローの二重化)

  • 再発防止策・改善計画書の策定支援

  • 金融機関・監査法人への説明対応支援

業務のポイント

  • 隠れた痕跡の解明
    不正は巧妙に分散され、長期間にわたり多数のベンダーと共謀する形で行われていました。弊社はデータ分析とフォレンジックを組み合わせ、複雑な資金流出を可視化しました。
  • 多くの利害関係者との調整
    経営陣・監査法人に対し、調査範囲や調査深度を調整しつつ、必要な証拠を確保。調査の透明性と信頼性を担保しました。
  • 再発防止を見据えた提案
    承認プロセスの二重化や内部監査機能の強化など、単なる不正摘発にとどまらず、将来に向けた仕組み改善を提言しました。

成果とその後の改善

調査を通じて、不正の全容と経済的損失額を明確にしました。企業は監査法人をはじめステークホルダーに適切な説明を行い、信用不安の拡大を防ぐことができました。

さらに、全社的な取り組みとして、子会社モニタリング体制の抜本的な改善、グローバル内部通報制度の導入、子会社における内部統制の再構築を進める契機となりました。