CASE STUDY 事例紹介

同業他社のM&Aのマッチング

業種 小売関連事業
国籍 日本
規模 80名
売上 10億円

弊事務所の税務顧客であるT社より、同業他社をM&Aしたい旨の相談が寄せられた。弊グループで、いくつかの案件をご紹介し、その中で、売却の意思表示がなされたB社について財務内容を精査し、買収スキームの提案を行った。

プロジェクトの背景

T社は、営業地域の拡大を目指していた。T社は、売上高5000万円~1億円程度の隣県の同業他社を3000万円~5000万円で買収したいということで弊社に相談があった。
M&A仲介を専門的に行っている弊グループの”かえでファイナンシャルアドバイザリー㈱”で買収案件の仲介を実施した。

業務・提案内容

M&A案件の紹介
T社の希望に近い規模の同業他社のリストを作成し、それらの会社に個別に連絡を取った。その中で、経営者が高齢化し、かつ、ここ数年間は業績も振るわないB社において、売却の可能性が確認された。
そこで、正式にB社に商談申込みを行い、条件交渉に入った。B社の社長からは、①従業員の雇用の確保、および②売却により手元に3000万円の現金が欲しい等いくつかの条件が提示された。

  • 財務デューデリジェンスと買収スキームの提案

    • B社の財務内容を精査した。事業用建屋など一部の資産については、B社経営者より賃借しており、その賃借料は相場よりも高かった。
      ここ最近のB社経営者の役員給与は、業績不振もあり、比較的少額であった。その他の経費については、B社経営者による公私混同は比較的少なく、想定よりも財務の透明性は高かった。
      所々の状況より、相対的に隠れ負債リスクは低いものと判断された。
    • B社の財務内容を確認した後、税務上の優位性、法的リスク、M&A手続きの迅速性の観点から、”事業譲渡”を通じてB社を買収する案と”株式譲渡”により買収する案について比較分析した。
      最終的には、B社の社長への退職金支給と株式譲渡で合計2500万円、さらにB社の社長が賃貸していた事業用建屋の5年間以上の継続使用という条件のもと、T社とB社で買収合意がなされた。

プロジェクトの成果

  • B社では後継者難により経営者が高齢化していたこともあり、従業員の継続雇用を条件に友好的にM&Aの話が進んだ。T社は、業績不振の同業他社を過去に救済し事業を引き取ったこともあたっため、B社の事業承継についても、そのときの経験をいかすことができた。

    B社とT社の利害が一致したため、両社に喜ばれる結果となるM&Aであった。