CASE STUDY 事例紹介

中国進出に係る投資スキームの提案

業種 化学品メーカー
国籍 日本
規模 500名
売上 200億円

P社では、これまで日本中心の事業展開であったが、中国での本格的な販売展開さらには現地生産工場の建設も視野に入れて、中国進出することになった。
その中国進出に係る投資スキームについて、税務面、手続き上の負荷、将来の事業拡大に向けた柔軟性、などの観点でシュミレーションを行い、P社にとって最適なスキームを提案した。

プロジェクトの背景

P社は、新経営者のもと、急速に事業展開のスピードを上げ、国際展開を視野に入れた経営を志向していた。中国進出にあたっては、有力なスキームを複数提案した上で、それぞれの優位性を比較分析し、P社と協議することになった。
最終的には、税金コストだけの優位性よりも、P社が計画している今後の中国事業展開に柔軟に対応できる案を最適として採用することになった。

業務・提案内容

中国への進出に関しては、どのような手法で現地法人に事業資金を投じるかという課題がある。進出形態としては、主として、香港を経由して進出する場合と日本から直接進出する場合がある。
また、現地子会社の事業資金については、日本から資本金として投じるケースと、親子ローンまたは現地金融機関からの融資で調達するケースがある。
これらそれぞれのケースについて、税金コスト/手続き面/実行スピードの面から比較分析した。また、中国・香港固有の問題として、以下の点についても検討を要した。

  • 香港と中国本土の間の租税協定

  • 香港子会社に対する日本のタックスヘイブン対策税制の影響

  • 中国への投下資本の回収に関して、中国で課税される源泉税(企業所得税)や営業税などの税金コスト

  • 親子ローンに関して中国で行う必要がある登記手続き

  • 事業環境の急変により撤退する場合の困難性

プロジェクトの成果

  • 本ケースにおいては、税務上の観点からは“中国への直接融資”方式が最も有利と考えられた。
    しかし、P社が計画していた今後の事業展開の内容と事業環境急変リスクも考慮すると、香港子会社を経由して中国孫会社に事業融資する案が最も無難ではないかとの結論に至った。